プロテインはなぜ筋肉に有効なのか?

筋トレをする人の大半が飲んでいると言っても過言ではない「プロテイン」。プロテインを直訳するとタンパク質ですが、一般的には「タンパク質を豊富に含んだサプリメント」を意味します。筋トレをする人の多くが飲んでいますが、そこまで筋肉に有効なのでしょうか。

この記事ではプロテインが筋肉に有効な理由と、食事よりもプロテインが優れているところ、プロテインの種類と違いを解説。また、プロテインと一緒に摂取したいビタミンも解説します。

プロテインを有効に使うことで、筋トレの効果を高めましょう。

プロテインがなぜ筋肉に有効なのか


筋トレをする人の多くがなぜプロテインを飲むのか、それは大きなメリットがあるからです。筋トレの効果を高めるためには「血中アミノ酸濃度」が高い状態をキープしなければなりません。

血中アミノ酸濃度とは、血液を流れるアミノ酸の濃度のこと。プロテインや食事から摂ったタンパク質は、小腸などでアミノ酸に分解されて、血液に流れます。その量が多ければ多いほど、血中アミノ酸濃度は高まるのです。

血中アミノ酸濃度が高まると筋肉が合成されやすくなり、低くなると分解されやすくなります。特に筋トレ中から後にかけては、筋肉の合成が高まった状態です。

このときに、血中アミノ酸濃度を高くしてあげることで、より筋肉が合成される=筋トレの効果が高まるのです。

プロテインは簡単にタンパク質を大量に摂取できる上に消化が楽なため、狙ったタイミングで血中アミノ酸濃度を高められます。なので、筋トレの効果を高めるのに有効であり、多くのトレーニーが摂取しているのです。

食事よりもプロテインが優れているところ


タンパク質が分解されてアミノ酸になり、血中アミノ酸濃度を高めてくれると先ほど解説しました。ですがタンパク質は食事からも摂取できるため食事で十分なのでは?と思う方もいるでしょう。ここでは、食事よりもプロテインが優れているところを解説します。

  • 安い
  • 余計なカロリー摂取を防げる
  • 消化が楽
  • すぐに血中アミノ酸濃度を高められる
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安い

多くの場合、食事からタンパク質を摂るよりも、プロテインからタンパク質を摂った方が安いです。例えば1000gで4000円のプロテインがあるとします。1000gの80%がタンパク質だとすると、タンパク質800gで4000円なので、1gあたり5円です。

一方で一般的な食事から最も安価にタンパク質を摂取できるのは鶏肉です。鶏肉の多くは100gあたり20gのタンパク質が含まれます。100gで100円だとすると、タンパク質20gで100円なので1gあたり5円です。

食事から安価にタンパク質を摂れる鶏肉と、同等のコストパフォーマンスでプロテインはタンパク質を摂取できるのです。さらに他の面でも食事より優れています。

余計なカロリー摂取を防げる

食事からタンパク質を摂るよりも、プロテインからタンパク質を摂った方が余計なカロリー摂取を防げます。

先ほど、タンパク質1gあたりのコストパフォーマンスが鶏肉と同等だと解説しました。ですが、鶏肉の場合はタンパク質含有量は20%ほどで、脂質も多く含まれています。仮に50gのタンパク質を摂取したい場合、250gの鶏肉を食べる必要があり、摂取カロリーも500kcalほどになってしまうのです。

一方でプロテインの多くは80%がタンパク質。なので、50gのタンパク質を摂る場合も200~300kcalほどの摂取カロリーで済みます。

鶏肉はカロリー摂取を抑えながらタンパク質を摂取しやすい食品ですが、プロテインの方が余計なカロリー摂取を防げるのです。

消化が楽

プロテインは水に溶かして飲むため、消化が楽です。筋トレをする人は1日あたり自分の体重×1.5g~2g以上のタンパク質摂取が望まれ、体重70kgの人なら105g以上のタンパク質を摂取したいところ。

しかし、肉で105g以上のタンパク質を摂るには、500g以上食べなければなりません。毎日500gの肉はかなり胃に負担がかかりますよね。

そこでプロテインを活用しましょう。例えば250gの鶏肉で50gのタンパク質を摂取して、残りの50gのタンパク質をプロテインから摂取すると、500gの鶏肉を食べるより胃腸の負担を減らせるでしょう。

すぐに血中アミノ酸濃度を高められる


プロテインは血中アミノ酸濃度をすぐに高められます。肉の場合、血中アミノ酸濃度が高まるまで2時間ほどかかり、ピークを迎えるのは3~4時間後です。一方でプロテイン(ホエイ)なら1~2時間でピークを迎えます。

また、調理も不要です。シェイカーにプロテインと水を入れて、少しシェイクするだけですぐに飲めます。肉の場合、焼いたり煮たり蒸したりなどの加熱が必要ですし、味付けも欲しくなるでしょう。血中アミノ酸濃度が高まる時間と、調理時間も考えなければなりません。

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プロテインの種類と違い


プロテインには、種類があります。それぞれの違いとおすすめをご紹介します。

  • ホエイ
  • ソイ
  • カゼイン

ホエイ

筋トレをする人に最もおすすめなのが、牛乳を主成分とするホエイプロテインです。筋肉を合成するアミノ酸のバランスに優れ、他のプロテインよりも筋合成効果や筋力向上効果が高いと言われています。

血中アミノ酸濃度は1~2時間で一気にピークを迎えるため、筋トレ前後など、血中アミノ酸濃度を高めたい時を狙いやすいことも大きなメリットです。逆にすぐに消化吸収される分、血中アミノ酸濃度が高い状態をキープするのは難しいです。

日中はこまめにタンパク質を摂取しておき、睡眠前はタンパク質が豊富な食事を摂ったり、これから解説する別のプロテインを摂ったりしましょう。

ソイ

ソイは大豆を原料にしたプロテインです。血中アミノ酸濃度は6時間ほど高い状態をキープできますが、筋合成効果や筋力向上効果はホエイに劣ります。

カゼイン

カゼインはホエイと同じく、牛乳を原料にしたプロテインです。血中アミノ酸濃度は7時間ほど高い状態をキープできるため、最も長く血中アミノ酸濃度が高い状態をキープできます。ですが、筋合成効果や筋力向上効果はホエイに劣ります。

筋トレをする人には、ホエイがもっともおすすめです。

プロテインと一緒に摂りたいビタミン


最後に、プロテインと一緒に摂ることで、筋トレの効果が上がるビタミンを紹介します。

  • ビタミンC,B6:タンパク質の吸収率を上げて、筋肉を作りやすくしてくれる
  • ビタミンB1,2:筋トレを行うためのエネルギーを作りをサポートする
  • ビタミンD :アミノ酸を筋肉に取り込むサポートをする

これらのビタミンも同時に摂取できるプロテインも市販されているので、選んで購入してみてください。

まとめ


プロテインは安価かつ、余計なカロリー摂取を防ぎながらタンパク質を効率よく摂取できます。消化も楽ですし、狙ったタイミングで血中アミノ酸濃度を上げやすいため、多くのトレーニーが飲んでいるのです。

プロテインにも様々な種類がありますが、筋合成効果や筋力向上効果が最も高い「ホエイ」がおすすめです。

ビタミンC,B1,2,6,Dは、プロテインと一緒に摂ることで効果を高めてくれます。同時に摂取できるプロテインも市販されているので、探して購入してみてください。

プロテインを有効活用することで、筋トレの効果が高まります。

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<参照文献一覧>

・最高の健康 ー 山本義徳著 KADOKAWA 2020年11月19日